【第四文型】
「AにBを~する」という意味を表すには、たとえば、"I explained it to him."(私は彼にそれを説明した)のように、第三文型にto Aをつければ良いが、ある種の動詞には、O1(~に)とO2(~を)という二つの目的語をこの順に並べて表すことができる。これが<S+V+O1+O2>の第四文型である。
「~に」という意味は、toのほかに、forでも表す場合があるから、第四文型をとれる動詞をこれに従って二つのタイプに分けることができる。
1:toをとる形に置き換えらえるもの
toは「着点」を意味するから、たとえば次の文では、フロッピーディスクが彼の手に入ったということが分かる。
・I handed him a floppy disk. ⇔ I handed a floppy disk to him.
(私は彼にフロッピーディスクを手渡した)
※直接目的語がitのときはitを前に出して、I handed it to him.とするのがふつう。
目的語の順を入れ替えるときtoをとる主な動詞
●allot(割り当てる)、●award(与える)、fax(ファックスで送る)、●give(与える)、
●grant(かなえてやる)、●hand(手渡す)、lend(貸す)、offer(申し出る)、
pass(回す)、pay(払う)、promise(約束する)、send(送る)、show(見せる)、
teach(教える)、tell(話す)、throw(投げ与える)、write(書き送る)
※●のついた動詞はこの意味では原則としてO1は省略できない。
(誤)He gave a book.
(正)He gave me a book. / He gave a book to me.
2:forをとる形に置き換えられるもの
forは、「~のために」という意味で、相手にとって何か利益や恩恵を生じるような場合に用いられる。
・He cooked me breakfast. ⇔ He cooked breakfast for me.
(彼は私に朝食を作ってくれた)
※左の文では、文末にくるbreakfast、
右の分では文末にくるmeが強調される。
このグループの動詞は相手を表すO1がなくても、
ほとんど文は成立する。
たとえば、He cooked breakfast.だけでも文として成立する。
目的語の順を入れ替えるときforをとる主な動詞
buy(買ってあげる)、call(呼んであげる)、cook(料理してあげる)、
find(見つけてあげる)、get(手に入れてあげる)、make(作ってあげる)、
prepare(こしらえてあげる)、save(とっておいてあげる)
【発展】
①着点にも利益にも用いられる場合には、両者の意味の違いに注意。
(a)Bring the chair to me.(そのいすを私のいる所まで持ってきなさい)
(b)Bring the chair for me.(そのいすを私のために持ってきてください)
※(a)が単に場所を示すのに対し、(b)は「私が座りたいから」の意味がある。
②leave(残す)は、leave A for Bでは「BにAを残しておく」の意味だが、
leave A to Bだと、「AをBに残して死ぬ」の意味になる。
・I left a letter for her on the desk.
(私は机の上に彼女宛に手紙を残しておいた)
・He left a great amount of money to his family.
(彼は家族に巨額の金を残して死んだ)
③cost(〔金額が〕かかる)、envy(うらやむ)、save(省く)などのように、
常に<SVOO>の形で用いる動詞もあるので、辞書で確認してから使うのがよい。
3:直接目的語がto不定詞や名詞節の場合
①to不定詞の場合-<疑問詞+to不定詞>
・I asked her how to send an e-mail.(私は彼女にEメールの送り方を聞いた)
②名詞節の場合-that[wh-,whether,if]節
・He told me that he'd be home warly tonight.
(彼は私に今夜は早く帰ると言った)
・This book taught me why he was such a great player.
(この本は、どうして彼がそんなに偉大な選手だったのかを教えてくれた)
-表現のための実践ロイヤル英文法-より引用